2016年07月02日

現代の軍事戦略 ランドパワー古典編 その2

もじゃもじゃです。
A.トフラーさんのご冥福をお祈り申し上げます。face06

世界中の戦略家から絶賛される
「現代の軍事戦略入門」(エリノア・スローン著 奥山真司、関根大介訳)
本書は、軍事戦略理論を古典から現代までをコンパクトにまとめており、軍事戦略の変遷を一般の読者でも理解できる入門書です。
なかなか知ることのできない、現代の戦略理論に重点が置かれている一方、基礎となった古典的理論にも、目配りされております。

本書をご紹介することで軍事戦略への理解を深め、複雑な国際情勢をマスコミ等に踊らされることなく、自身で考える一助にしたいと思ってます。
また、本ブログをきっかけに一人でも、本書を含めた戦略書を手に取って頂き、平和や戦争への理解を一緒に深めてくれるとなお嬉しく思います。


さて、今回はランドパワー古典編その2として、クラウゼヴィッツとジョミニとご紹介します。
前回の孫子とリデルハートが「間接的アプローチ」とすると、今回のクラウゼヴィッツとジョミニは軍事力の直接的行使を重視した「直接的アプローチ」。

■暴力が戦争のエッセンス クラウゼヴィッツ
・カール・フォン・クラウゼヴィッツ ナポレオン戦争に従軍したプロイセンの将軍。主著「戦争論」
・戦争は暴力行為であり、それには流血と蛮行を含み、敵の破壊への衝動がその中心にある。

チャンスと運
・ 「人間行為のうち、戦争が最もトランプのゲームに似ていると言われる所以(チャンスと運に大きく左右される)がここにある。」

戦争の霧
・情報の不確実性のこと。
 「戦争中に得られた多くの情報は相互に矛盾しており、誤報はそれ以上に多く、さらに大部分は何らかの意味で不確実である。」

摩 擦 
・戦争の遂行というのは、多くの部品によって構成された精緻な機械を動かすことに似ており、それぞれの部品が他の部品と関わっていて、それが摩擦とチャンスにつながる。
「摩擦こそ一見容易なものをして、現実においては困難ならしめる原因である。ある意味で現実の戦争と机上の戦争を一般的に区別する概念である」
※具体的には摩擦とは、遅延や人的ミス、誤解、怠慢等のこと。

均 衡
・敵味方の政治的要求の程度が武力の使用の程度を決定すべきである。
したがって「戦争を始めるにあたっては、戦争によって何を達成し、戦争で何を獲得するつもりなのかをはっきりしていなければならない」
「政治的意図は目的であり、戦争はあくまでも手段である。目的のない手段などおよそ考えられない」
「戦争とは他の手段を交えて行う政治的関係の継続以外のなにものでもない」

三位一体
・戦略レベルにおいて、戦争には「国民」、「司令官と軍隊」、「政府」という3つの力が相互作用として働き、三位一体を構成している。
 3つの力は常に互いの関係性を変化させており、戦争の成り行きに影響を与える。
・「国民」・・国民の間に根源的な暴力、憎悪、敵愾心が存在する。国民に備わっている盲目的自然衝動。
・「司令官と軍隊」・・軍隊の指揮官の勇気と才能、創造的な精神、取り巻くチャンスと蓋然性。
・「政府」・・戦争が政治的な道具として、政府の政治的狙いや戦争の使用に従属すること。

最大限の集中と最大限のスピード、重心
・実際の戦闘の遂行の際の主要な原則「最大限の集中」と「最大限のスピード」
・戦争が決定されるのは常に主戦場であり、それ以外の不必要な時間の浪費や迂回というのは、単なる戦力の無駄遣い。
・集中とスピードの目標が「重心」。すなわち「敵の全体を担う力と運動の中心。」
 ほとんどの場合重心は敵軍の中にあることが多く、次に敵の首都、そして敵の同盟国にある。




■勝利の法則 ジョミニ
・アントワーヌ・アンリ・ジョミニ ナポレオンの参謀も務めたスイス人 主著「戦争概論」
・科学と理性が支配的な啓蒙主義の時代精神に影響を受け、戦争に勝つための原則の発見を目指す。

戦力集中の原則
・ 「戦争で勝利するためには、戦場の決定点に集中させること。その為には、しかるべき時期に十分な力で戦えるように措置しておくこと」

内線作戦線
・敵軍を二つに分断し、まとまっている時よりも弱くしなくてはならない。そのためには、敵軍の中間地点(内線)に位置し、弱点から攻撃し各個撃破していく。 「作戦線の選定は会戦計画策定上の基本重要事項である」
・海上戦の理論にも関心があり、シーパワー論のマハンはジョミニに影響を受けた。


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Posted by もじゃもじゃ  at 10:48 │Comments(0)◎戦略関連現代の軍事戦略

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