2016年11月29日

「戦略論の名著」孫子、マキャヴェリから現代まで

もじゃもじゃです!

今回は、野中郁次郎編著「戦略論の名著」中公新書刊をご紹介。
野中郁次郎氏はビジネス書としても人気の高い「失敗の本質」で名高い。

「戦略論の名著」は副題に「孫子、マキャヴェリから現代まで」とあるように、古今東西の戦略論の名著12冊の概要を紹介した入門書である。
以前紹介した「名著で学ぶ戦争論」よりも、著書の紹介にページを費やしており(新書で20ページ程度)、解説もより詳しく、万人向けとなっている。

紹介されている12冊は以下のとおり。
①孫武「孫子」 ②マキャヴェリ「君主論」 ③クラウゼヴィッツ「戦争論」 ④マハン「海上権力史論」 ⑤毛沢東「遊撃戦論」 ⑥石原莞爾「戦争史大観」 ⑦リデルハート「戦略論」 ⑧ルトワック「戦略」 ⑨クレフェルト「戦争の変遷」 ⑩グレイ「現代の戦略」 ⑪ノックス&マーレー「軍事革命とRMAの戦略史」 ⑫ドールマン「アストロポリティーク」
⑤⑥⑫を除くと戦略論の定番的な選択とも言える。

戦略論はとかく難しい。理解に歴史的、軍事的、国際政治的背景の知識が必要という根本的な難しさに加えて、文章そのものが読みやすさを前提につくられていないことが多いのも一因である。
例えば⑩グレイ「現代の戦略」など、その最たるものの一つである。
本書「戦略論の名著」では、そんな難解なグレイ「現代の戦略」を、グレイの教え子でもある奥山氏がスパッと本質を解説をしてくれる。解説を念頭に「現代の戦略」を再読することで、枝葉に行かず、より本質の理解が深まる。

もちろん、初読者の為の読書ガイドとしても大いに活用できる。
戦略論に興味のある若い読者に特にお勧めである。
「戦略論の名著」孫子、マキャヴェリから現代まで







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Posted by もじゃもじゃ  at 11:28 │Comments(0)◎戦略関連

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