2017年02月03日
「乱流 米中日安全保障三国志」
もじゃもじゃです!
「乱流 米中日安全保障三国志」は日経新聞の編集委員/論説委員でもある秋田浩之氏の著作。
日米中の安全保障を巡る動きが2009年から2016年まで、その舞台裏を日米中の官僚・軍人・関係者らの生々しい証言で描かれた力作である。
章立てとしては、第1章は太平洋における米中の確執を概観し、2~3章でアメリカの動きを、4章では日本を、5章では中国を、6~7章では今後の予測と日本はどうすべきかの提言がまとめられている。
<第1章>青と赤に裂かれるアジア~「冷たい平和」の時代に
<第2章>中国の急所を狙え~米戦略家、極秘のシナリオ
<第3章>「幻想は、もう消えた」~対中協調派、崩れた牙城
<第4章>日米同盟が崩れる日~息切れの危うさ
<第5章>米国を追い出せ~中国、新たな「万里の長城」
<第6章>安定は続くか、群雄割拠か~アジア太平洋、4つのシナリオ
<第7章>日本、「外交三国志」を生き残るには~将来への処方せん
今まで本ブログで紹介した戦略系書籍と違い、ジャーナリストの手になる生々しくかつ手に汗握る証言集である本書。
もじゃもじゃ個人は5章までは非常に楽しめた。
例えば、ルトワックが中国の対外姿勢の変化を「3.0」から「4.0」と抽象的に説明し、2~3の事例で補足している部分を、本書では日・米・中3カ国の様々なレベルの当事者の証言から具体的に描いており、臨場感が高い。
しかし、結論である6~7章には違和感を覚えた。それは結論の内容そのものに対してではなく、6~7章が1~5章までの流れを論理的にまとめ、その延長線上で描かれたものだからだ。
ルトワック論を追っている方はご存知かと思うが、ルトワックは、戦略は「線的な論理」では失敗すると主張している。また、戦略には常にパラドックスが充満していると唱えている。
これらのことが頭の片隅に残っている方には、理屈としての6~7章は分かるがな、・・・・・、ではなかろうか?
しかし、この点は戦略家とジャーナリストの思考の違いが浮き彫りになって、面白いとも言える。
本書は戦略論や軍事理論に詳しくない方でも、迫力のあるミステリー小説を読むように日米中の動きを追って楽しめる点で、お勧めの1冊。
もじゃもじゃ個人は結論に違和感はある。が、それは結論がまとも過ぎるからであって、結論そのものに論理的な破たんはない。
ご興味のある方はアマゾンの書評もご参照下さい。

「乱流 米中日安全保障三国志」は日経新聞の編集委員/論説委員でもある秋田浩之氏の著作。
日米中の安全保障を巡る動きが2009年から2016年まで、その舞台裏を日米中の官僚・軍人・関係者らの生々しい証言で描かれた力作である。
章立てとしては、第1章は太平洋における米中の確執を概観し、2~3章でアメリカの動きを、4章では日本を、5章では中国を、6~7章では今後の予測と日本はどうすべきかの提言がまとめられている。
<第1章>青と赤に裂かれるアジア~「冷たい平和」の時代に
<第2章>中国の急所を狙え~米戦略家、極秘のシナリオ
<第3章>「幻想は、もう消えた」~対中協調派、崩れた牙城
<第4章>日米同盟が崩れる日~息切れの危うさ
<第5章>米国を追い出せ~中国、新たな「万里の長城」
<第6章>安定は続くか、群雄割拠か~アジア太平洋、4つのシナリオ
<第7章>日本、「外交三国志」を生き残るには~将来への処方せん
今まで本ブログで紹介した戦略系書籍と違い、ジャーナリストの手になる生々しくかつ手に汗握る証言集である本書。
もじゃもじゃ個人は5章までは非常に楽しめた。
例えば、ルトワックが中国の対外姿勢の変化を「3.0」から「4.0」と抽象的に説明し、2~3の事例で補足している部分を、本書では日・米・中3カ国の様々なレベルの当事者の証言から具体的に描いており、臨場感が高い。
しかし、結論である6~7章には違和感を覚えた。それは結論の内容そのものに対してではなく、6~7章が1~5章までの流れを論理的にまとめ、その延長線上で描かれたものだからだ。
ルトワック論を追っている方はご存知かと思うが、ルトワックは、戦略は「線的な論理」では失敗すると主張している。また、戦略には常にパラドックスが充満していると唱えている。
これらのことが頭の片隅に残っている方には、理屈としての6~7章は分かるがな、・・・・・、ではなかろうか?
しかし、この点は戦略家とジャーナリストの思考の違いが浮き彫りになって、面白いとも言える。
本書は戦略論や軍事理論に詳しくない方でも、迫力のあるミステリー小説を読むように日米中の動きを追って楽しめる点で、お勧めの1冊。
もじゃもじゃ個人は結論に違和感はある。が、それは結論がまとも過ぎるからであって、結論そのものに論理的な破たんはない。
ご興味のある方はアマゾンの書評もご参照下さい。

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