2016年11月06日

「中国はいかに国境を書き換えてきたか」

もじゃもじゃです!

今日は平松茂雄著「中国はいかに国境を書き換えてきたか 地図が語る領土拡張の真実」(草思社)をご紹介します。

本書は毛沢東時代から現代まで、中国がいかに国境線を書き換えてきたかを、豊富な地図類で解説する書である。
著者の平松茂雄氏は、元防衛研究所室長であり、中国の専門家である。

私が感じた本書の面白い点として、

①中国は国境を固定のものとして認識をしていない。
・国力が増大すれば国境線は広がるし、国力が落ちれば狭まる。

②元々「国境」にあたる言葉はなく「辺彊(へんきょう)」がそれにあたる。
・中国にとって南シナ海も東シナ海も「辺彊(へんきょう)」である。

③毛沢東時代から着々と進めて来た南シナ海、東シナ海進出。
・50年以上に渡って南シナ海、東シナ海進出には手を打ってきている。
・そしてその成果は出つつある。

④尖閣だけに目を奪われてはならない。
・日本はとかく尖閣だけに目を奪われがちであるが、中国の本当の目的は南西諸島にある。
・南西諸島は、中国海軍が太平洋に進出する戦略ルート上にある。

⑤弱腰な日本外交
・日本は安倍政権以前は、中国の領土拡張行為に対して、外交上の抗議をするだけであった。
・結果として中国の行為を黙認している。

以上。

本書を読むとルトワックの「チャイナ4.0」への理解も深まると思う。

「中国はいかに国境を書き換えてきたか」











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Posted by もじゃもじゃ  at 09:28 │Comments(0)◎戦略関連

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